【朝ドラのころ】1997年「あぐり」田中美里(3) 三浦理恵子の髪の毛をカット「すごくドキドキした」

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【朝ドラのころ】1997年「あぐり」田中美里(3) 三浦理恵子の髪の毛をカット「すごくドキドキした」
プロから訓練を受けて美容師を演じた田中(中央)。弟子役の三浦(右)と細川ふみえ=1997年撮影【拡大】

 美容師になったあぐりが髪を切るシーンで、彼女の弟子を演じた三浦理恵子さんの髪の毛を実際にカミソリでレザーカットして…。すごくドキドキしたことを覚えています。 撮影中、ヒロインのモデルで当時90歳の現役美容師だった吉行あぐりさんとお会いしました。時代考証で、髪を切るのはハサミかレザーのどちらが先だったか撮影現場で話題になり、あぐりさんに「逆になっていたら、ごめんなさい」とお伝えしたとき、「いいのいいの。みんな年だから、生きている人も少ないし、忘れてるから」と笑い飛ばしてくださって…。すごく明るい方でしたね。 野村萬斎さんが演じた夫のエイスケさんについては「浮気もしちゃうし、どうかなと思ったけど、私はかっこいい人と結婚したのね」と話されていたのがかわいらしかった。ご本人を演じることにプレッシャーを感じていましたが、「そのままでのびのびと楽しくやってくださいね」ともおっしゃってくれました。 あぐりさんの長女の吉行和子さんは、美容室のお客さま役で出演してくださいました。ヒロインが娘の和子を妊娠中のシーンで、劇中で和子さんは「良い子が生まれるわよ」というようなセリフを言うんです。私があぐりさんを演じたことに「すごくうれしい」と喜んでくださいました。 役を通して、美容師の先駆者だったあぐりさんの熱い思いを感じました。人をきれいにすることは人を前向きにするし、そのお手伝いができる美容師は素敵な仕事。髪形を変えなくても生きていけるかもしれないけど、自信をつけることもできるし、踏ん張る力を与えてくれますよね。 撮影が始まった19歳の頃は大人びて見られていたので、15歳のあぐりをおさげ姿で演じたときは「合わないね」と言われましたが、物語で年齢を重ねるにつれ、「しっくりくる」と皆さんからちゃかされました(笑)。 撮影中に成人を迎え、衣装さんが内緒で用意してくださった着物を、記者の皆さんの前で着ました。忙しかったので、大人になった実感はわかなかったのですが、朝ドラ撮影中に“成人式”をしていただけたなんて、すごく贅沢な時間でした。 注目されるようになって、怖くなった時期もありました。普通の女の子ではいられなくなったんだなという実感は、少しずつわいてきました。(28日付けに続く) ◆日常が楽しくなる帽子 田中自身も人をきれいにする活動をしている。昨年春、帽子ブランド「ジンノビートシテカッシ」を立ち上げた。「もともと帽子が好きで趣味で作っていたんです。個性的なものよりは日常が楽しくなる帽子を目指しています。取り入れるのは難易度が高いと迷っている方でも、『いけるんだ』と思っていただけたら」と笑顔。演技と帽子作りは似ているとし、「日常の彩りにできたらなと思います」とアピールした。

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 【朝ドラのころ】1997年「あぐり」田中美里(3) 三浦理恵子の髪の毛をカット「すごくドキドキした」