芝野虎丸二冠、史上最年少3冠「藤井さんに負けていられない」/囲碁

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芝野虎丸二冠、史上最年少3冠「藤井さんに負けていられない」/囲碁
芝野二冠は村川十段を下し、史上最年少・最速の3冠を達成=26日午後、東京都千代田区の日本棋院(撮影・三尾郁恵)【拡大】

 囲碁のタイトル戦、第58期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第4局が26日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、挑戦者の芝野虎丸二冠(20)が141手で村川大介十段(29)に黒番中押し勝ちし、3勝1敗で十段を奪取、史上最年少の20歳7カ月、プロ入りから最速の5年9カ月で3冠に輝いた。将棋では高校生プロ、藤井聡太七段(17)が第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(同主催)で最年少戴冠を目指しているが、一足早く快挙を達成した。 緊張感が漂う対局場で村川十段が「負けました」と頭を下げた。午後4時57分、弱冠20歳の新3冠、芝野新十段が誕生した。 「3冠になれるとは信じられない。内容が良いわけではなかったが、結果を残せたことは自信になります」 最年少・最速尽くしの快挙達成。20歳7カ月での十段位の奪取は、第53期(2015年)の伊田篤史八段(26)が記録した21歳1カ月を6カ月上回り歴代最年少だ。 3冠では囲碁界の第一人者、井山裕太三冠(31)の23歳1カ月の史上最年少記録を更新。プロ入りから要した年月は5年9カ月で、井山三冠の10年3カ月を塗り替えた。3冠保持者は過去9人いるが、七大タイトル戦で敗退せず3棋戦目で達成したのは初めてだ。 午前10時、2勝1敗で迎えた大一番がスタート。中盤でミスを犯し、一時は敗色濃厚になった。「経験がない形で、ほぼ負けてしまったかと落ち込んだ。手応えは最後まで全然よく分かっていなかった」。それでも「自分の良さは粘り」とあきらめず、最後は相手の悪手を誘って勝利をつかんだ。 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、日本棋院は4月8日から対局を中断。芝野新十段はインターネットを利用した棋士仲間との練習対局などをこなし、棋力の向上と実戦感覚の維持に努めた。だが「なぜか調子が上がらなかった」。緊急事態宣言の全面解除を受け、対局は今月1日から再開され、第75期本因坊戦七番勝負に臨んだが、22、23日の第3局までタイトル保持者の井山三冠に3連敗を喫した。 中2日で臨んだこの日の対局で勇気を与えてくれたのは、将棋界の若武者、藤井七段の姿だった。「年も近い。藤井さんのダブルタイトル(棋聖、王位)挑戦のニュースは励みになった。自分も負けていられない」。笑顔でそう明かした。 昨秋、史上最年少で名人位を獲得するなど、囲碁界の記録を塗り替え続けている。「きょうの勝利で弾みをつけたい」。狙うは30日からの本因坊戦第4局での巻き返し、そして4冠目だ。★最後までマスク コロナ対策万全 日本棋院は新型コロナウイルス感染防止対策に細心の注意を払っている。対局する所属棋士に検温を義務付け、37度5分以上の場合、タイトル戦は延期、通常の棋戦では不戦敗としている。対局時は原則的にマスク着用とし、対局室の換気も実施。この日の対局でも両雄は検温を受け、マスクを着用して対局場の「幽玄の間」に入った。対局が白熱した中で、芝野新十段は最後までマスクを着けて戦っていた。日本棋院の小林覚理事長(61)「芝野新十段は冷静に戦った。今月は対局の内容が良くなかった。プロになってからの時間が短く、2カ月の中断期間は調整が難しかったのだろう。以前は毎週対局があったが準備の仕方が変わり、試合勘の維持も簡単ではない。勝利が一番の解決策。3冠獲得で本因坊戦へもエネルギーが入ると思う」芝野 虎丸(しばの・とらまる) 1999(平成11)年11月9日生まれ、20歳。神奈川県相模原市出身。2014年9月入段(プロ入り)。17年、17歳で竜星戦に優勝し入段から史上最速の2年11カ月で七段昇段。新人王戦で優勝。18年、日中竜星戦で優勝。昨年10月、名人を奪取し史上初の10代(19歳11カ月)での七大タイトル保持者に。史上最短の5年1カ月で九段昇段。同11月、初の王座も獲得し20歳0カ月で最年少2冠を達成。日本棋院東京本院所属。

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 芝野虎丸二冠、史上最年少3冠「藤井さんに負けていられない」/囲碁