熊本豪雨、死者１８人に　２０００世帯以上が孤立

熊本県球磨村で地面に描かれた「米、水、ＳＯＳ」の文字＝５日午前１１時４９分（共同通信社ヘリから）【拡大】

　熊本県南部を襲った豪雨で、県は５日、計１８人が死亡したと発表した。人吉市発表の１人と合わせ県内で計１７人が心肺停止状態で、１４人が行方不明。また、球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」で心肺停止状態で見つかった１４人はいずれも入所者だったことが判明。残る入所者５１人は５日、全員が救助された。　球磨川は上流から下流にわたり１１カ所が氾濫。各地で土砂崩れが発生して道路が寸断され、広範囲で冠水した。県によると、５日午前７時時点で、８市町村の１２４集落、２０００世帯以上が孤立。このうち、全域が道路不通となっている球磨村で約１４００世帯が孤立している。　県南部では５日、雨が降った。気象庁は、６日にかけ局地的に非常に激しい雨が降り、被災地ではわずかな雨でも再び災害が起きる恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。西日本では、局地的に豪雨をもたらす線状降水帯が形成される可能性があるという。　熊本県によると、死者は人吉市で９人、芦北町で８人、津奈木町で１人。県は身元が確認され、遺族の同意が得られた１２人の氏名を公表した。心肺停止１７人のうち１６人は球磨村で、１人は人吉市。行方不明は球磨村で５人、人吉市と芦北町でそれぞれ３人、津奈木町で２人、錦町で１人。４日夜は、県内１４市町村の避難所１１８カ所に、１６１５人が滞在した。　九州電力によると、県内では５日午後７時時点で、約４５００戸で停電が続いている。