ＧｏＴｏトラベル決行か見直しか　地域限定実施案も

　政府は１６日、観光支援事業「Ｇｏ　Ｔｏ　トラベル」の実施方法について調整を続けた。東京などで新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、自治体からは地域限定で始める案や延期論が相次いでいる。１６日夕の新型コロナ対策分科会で専門家の意見を聴取し、当初の予定通り全国一斉で２２日に始めるかどうか最終判断。赤羽一嘉国土交通相が１７日記者会見する。　安倍晋三首相は１６日、官邸で記者団に「現在の感染状況を、高い緊張感を持って注視している。専門家の皆さんの意見を聞いてみたい」と述べた。菅義偉官房長官は「観光や飲食を支援することで社会、経済を回復させ、地域を厳しい状況から脱却できればと考えている」と意義を強調した。　この事業は新型コロナで落ち込んだ旅行需要を回復させるのが目的で、国内旅行商品の５０％相当を支援。２２日以降の宿泊や日帰りツアーを対象に、３５％分の代金割引を先行してスタートさせる方針で、旅行各社などは購入案内を始めている。　しかし、１５日には東京都が感染状況に関する警戒度を４段階の指標で最も高いレベルへ引き上げ、全国では緊急事態宣言の解除後、最多となる４５４人の感染者が確認された。　政府は地域を限定する運用は可能としつつも、全国で一斉スタートさせる姿勢を崩していない。利用者の検温や、浴場など共用施設の人数制限を宿泊施設に義務付け、感染対策を徹底するとしている。