新時代のお笑い賞レースは“駆け抜ける系”コンビが有利?/芸能ショナイ業務話

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新時代のお笑い賞レースは“駆け抜ける系”コンビが有利?/芸能ショナイ業務話
ビスケットブラザーズ【拡大】

 ソーシャルディスタンス、新しい生活様式など、新型コロナウイルスの影響は私たちの生活を間違いなく変えている。そんな中、7月12日に「ABCお笑いグランプリ」、3月に開催予定で延期となった「第9回ytv漫才新人賞決定戦」は8月2日に行われ、コロナ禍で関西では2つの賞レースが開催された。個人的には漫才が再開した直後のように、コンビの間を2メートルほど離したり、間にパーテーションを置いたりなどせず、芸人が自由に芸を発揮できる環境で行われたことはよかったと思う。 「ytv-」では出場予定だったマユリカが、他の仕事で一緒になった関係者がPCR検査で陽性となり、大事をとって直前で棄権。お笑い賞レースだけでなく、今後いろいろな場面で起こりえる一幕もあった。 現在行われている「M-1グランプリ」の予選は約360人収容の会場で無観客で行われている。出番を終えた芸人に話を聞いてみた。 「いつもお客さんあっての漫才なんやなと実感しました」 「お客さんの笑いあってのテンポ取れてたんやな」 「お客さんの笑い待ちがないからどうしてもテンポが速くなってしまう」 などという声があった。取材として見ている私も観客がいないと笑いづらかったことを実感した。ただ、本当におもしろいネタは無観客だろうがおもしろい。 「ABCお笑い-」関係者によると、「一番難しかったのは観客」という。まず、無観客開催については「絶対になかった」という。理由は「漫才の概念として誰かに見せるものだから」がその答えだ。コントなら自分たちの世界観でやればいい話だが、漫才は観客に向いてしゃべる。対象がいないのはやっぱり不自然だ。 「ABCお笑い-」ではマスク姿の一般客とゲスト合わせて40人をスタジオに入れた。ゲストを多めに出演させたが、これも芸人への配慮。ゲストとして呼ぶことによってマスクをしないため、芸人目線で表情が分かりやすくなるからだ。 さらに隣接するABCホールのパブリックビューイングに集まった60人の笑い声をスタジオに届け、テレビで見ている分にはさほど問題ないように見えたが、芸人にとっては控室のテレビで見ている笑いの量に比べて実際の舞台の笑いの量は小さく、難しかったという声もあった。 「ABCお笑い-」は結成8年目のコウテイ、「ytv」は芸歴10年目のビスケットブラザーズがそれぞれ優勝した。争う条件は同じだが、新スタイルの賞レースで向き不向きはあるのだろうか。私は“駆け抜ける系”コンビが有利に思う。優勝した2組(特にコウテイ)は“駆け抜ける系”で観客と息を合わせたり、笑い待ちなどでタイミングをとるコンビは不向きに感じる。 年末に行われる「M-1グランプリ」のスタジオの雰囲気も例年通りというわけにはいかないだろう。それでも環境はみんな一緒。観客が少なくてもおもろいものは笑える。レベルの高い戦いを期待したい。(わたなべ)

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 新時代のお笑い賞レースは“駆け抜ける系”コンビが有利?/芸能ショナイ業務話