飯島栄治七段、藤井棋聖の封じ手予測 30分以上の長考に「すでに序盤巧者の行動」/将棋

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飯島栄治七段、藤井棋聖の封じ手予測 30分以上の長考に「すでに序盤巧者の行動」/将棋
藤井棋聖は師匠の杉本八段から贈られた羽織をまとって対局に臨んだ=19日午前、福岡市(代表撮影)【拡大】

 将棋 第61期王位戦第4局第1日(19日、福岡市・大濠公園能楽堂)最年少タイトルホルダーの挑戦者、藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑む第4局が始まった。2日制の第1日は、藤井棋聖が今シリーズ2回目となる封じ手を行ったが、30分以上も長考する異例の行動を取り、木村王位に重圧をかけた。ベテランの理論派棋士、飯島栄治七段(40)は「すでに序盤巧者の行動」と驚きをみせた。 藤井棋聖が最後に仕掛けた。両雄の駒が本格的にぶつかり合わないまま、1日目は定刻の午後6時を迎え、挑戦者が42手目を封じることになったが、30分以上もこの一手の思考に沈んだ。 考えられない行動だった。直前、先手番の木村王位は飛車取りの手となる「▲8七銀」と指した。飛車を取られたくない藤井棋聖としては、「△2六飛」と逃げるか、逆に「△8七同飛成」として相手の銀を取るか、2択しかない。 だが、銀を取れば2日目の再開直後、藤井棋聖の飛車は、待ち構えている金に奪われる。最強駒の飛車と銀との交換は割に合わないので、通常なら「△2六飛」を封じ手に選ぶ局面だった。 しかし藤井棋聖は、ここで考えに考えた。木村王位は不気味に思っただろう。藤井棋聖が「△8七同飛成」を選べば全面戦争への宣戦布告となる。2日目で、千日手による先後の交替をもくろんでいる可能性も考えられる。30分超の長考は、木村王位に多くの対応を想定させることになったのだ。 私は6対4で「△2六飛」の可能性が高いとみる。だが、相手を戸惑わせたことで、藤井棋聖の目的は半ば達成された。盤外で、ベテランの木村王位に重圧をかけたからだ。ペースを握るのがうまい、相当な序盤巧者といっていい。 ただし、木村王位もかなり調子を上げている。私はこれまで木村王位と1500局以上も練習将棋を重ねてきたが、17日にも3局を行い、結果は私の3連敗となった。 木村王位は1局目で本局と同じ相掛かりを指した。序盤からの構成、読みの深さと広さ、勢いを感じた。相掛かりは、終盤まで勝勢を維持した今シリーズ第2局でも選んだ戦型だ。本局へ向け、一から藤井対策を練り上げていることを感じた。 飛車を逃がすのか、捨てるのか。封じ手により、2日目は展開も両雄の運命も大きく変わる。カド番の木村王位が、今シリーズ一番の意気込みで臨んでいるのは確かだ。封じ手 日をまたぐ対局の際、その日の最後の一手を紙に記入して、封筒に入れて封をすること。持ち時間の不公平をなくすためで、翌日の対局再開時に開封し、記入した手を指す。通常は両対局者と立会人が署名したものを2通作成し、立会人と対局会場が1通ずつ保管する。

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 飯島栄治七段、藤井棋聖の封じ手予測 30分以上の長考に「すでに序盤巧者の行動」/将棋