安倍首相、志半ば…課題残し「痛恨の極み」 麻生副総理に引き留められるも…

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安倍首相、志半ば…課題残し「痛恨の極み」 麻生副総理に引き留められるも…
新宿・歌舞伎町の大型ビジョンに、辞意表明の会見の模様が映し出された=28日、東京都新宿区(撮影・桐山弘太)【拡大】

 安倍晋三首相を辞任に追い込んだのは、またしても難病である持病の潰瘍性大腸炎だった。2週連続で慶応大病院を訪れ、一人だけで決断した。28日の記者会見では、第2次内閣発足からの約7年8カ月を振り返り、北朝鮮による日本人拉致問題解決やロシアとの平和条約締結、憲法改正が実現できなかったことに触れ「痛恨の極みだ。志半ばで職を去るのは断腸の思いだ」と語った。 安倍首相はこの日午前、官邸執務室で盟友の麻生副総理兼財務相と向き合った。 首相 「食欲がなくなっている。持病の悪化で国政に耐えられない」 麻生氏 「通院しながら職務を続ければいいじゃないですか」 麻生氏の目には首相の顔色は悪くないように映った。だが首相は続投の決意を示さない。その頃、二階幹事長はテレビ番組の収録で「退陣は全くない」と明言。岸田文雄政調会長は講演先の新潟市に向かうため東京を離れていた。 24日の通院後に「自分一人で」辞任の腹を固めた後、誰にも意向を漏らしていなかったことの表れだった。「病気で正しい政治判断ができなくなる。責任を果たすのが難しくなった」。午後、党本部で緊急の役員会合に出席。二階氏ら長期政権を支えた面々に、初めて辞意を伝えた。 6月に受けた人間ドックで、持病の潰瘍性大腸炎再発の兆候が見つかった。7月に体調の異変を感じ、8月上旬に再発が確認された。12日には「体重が落ちている。7年8カ月の疲労が相当きついが、1次政権の二の舞いを演じたくない」と周囲にこぼした。「薬が効かなくなって、新しい薬を試した。よく効くが、免疫力が低下してコロナにかかりやすくなる」。19日から通常勤務に戻った後、側近に漏らしたこともあった。 「とにかく人事や国会の前に判断しなければならないと、ずっと悩みに悩んだ。万が一にも同じようなことをしてはならないと判断した」。2007年に退陣した際には「投げ出し」と批判された。秋以降を見据えたコロナパッケージをまとめることを急ぎ、達成したのを区切りにした。 東日本大震災による経済の低迷から「アベノミクス」を掲げ、急回復させた。一方で、北朝鮮による日本人拉致問題解決やロシアとの平和条約締結、憲法改正が実現できなかったことに「痛恨の極みだ。志半ばで職を去るのは断腸の思いだ」と涙を浮かべた。「自民党として国民に約束した。新たな強力な体制の下、さらなる政策、推進力を得て実現に向けて進んでいくものと確信している」と後任に思いを託した。
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