安倍首相辞任表明に各国反応　韓国大統領府「残念に思う」

　安倍首相の辞意表明を受け、各国政府はポスト安倍となる次期首相の人選に注目、新たな対日関係構築を模索している。【米国】　安倍首相とトランプ米大統領の個人的な信頼をてこに維持してきた。米主要メディアも「日本で歴代最長のリーダーである安倍首相が病気で辞意」（ニューヨーク・タイムズ紙）などと速報し関心の高さを示した。米政府内では「安倍首相は世界でトランプ氏と最も良好な関係を構築した首脳」（米政府当局者）との評価が定着しただけに、１１月の大統領選の動向と合わせ、強固な日米関係維持に二重のリスクも抱える。【中国】　習近平指導部は、安倍首相が辞任の意向を固めたことを受け、後任首相の対中姿勢に注目している。米国と激しく対立している上、新型コロナウイルス流行で延期となった習国家主席の国賓訪日が宙に浮いたままのためだ。中国との対話に前向きな日本首相の誕生を望んでいるのは間違いなく、中国外務省の趙立堅副報道局長は２８日の記者会見で「日本と共に引き続き中日関係を改善し発展させる」と強調した。【韓国】　大統領府の姜ミン碩報道官は２８日、安倍首相が「韓日両国の関係発展のために多くの役割を果たしてきた」とし、辞任表明を「残念に思う」との声明を発表した。元徴用工問題や輸出規制強化など両国間の懸案を巡る日本側の姿勢に変化が生まれるかどうかに関心を寄せている。南北関係改善への日本の支持獲得にも力を入れるとみられる。【ロシア】　ペスコフ大統領報道官は、安倍首相とプーチン大統領は「最も困難な問題も交渉と関係発展により解決しようとした。辞任は残念だ。安倍氏の日ロ関係発展への貢献は計り知れず、プーチン氏も２人の良好な関係を高く評価している」と述べた。次期首相も安倍氏の対ロ外交路線を継承することに期待を示した。