歌舞伎俳優、市川海老蔵(42)が11日、熊本・山鹿市の八千代座で歌舞伎舞踊公演「古典への誘い」(15日まで)を開幕。コロナ禍の影響で今年2月の福岡・博多座公演以来7カ月ぶりの舞台になった海老蔵は、最初の演目「寿式三番叟」で力強い足拍子や軽快な踊りで観客を一気に引き込んだ。
終わりを告げる幕が閉まらないアクシデントが発生したが、新型コロナ感染予防対策で収容数半分以下となる“満席”の観客約300人の温かい拍手を力にした。
直後の「御目見得口上」では「久方ぶりの公演でございましたが、いきなり定式幕のトラブルがございました。この後どうなることかと思いました」と苦笑い。観客の優しい笑い声に「私から拝見しますとにぎにぎしく入っているように思いますが、しかしながら半分、ご声援も半分。いつも以上の拍手をしていただけたら」と呼びかけた。
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そして、自ら創作した華やかな最終演目「男伊達花廓」では「成田屋!!」「待ってました!!」の大向こう(掛け声)に「待っていたとはありがてぇ。恋しい太夫に会いに行こうか」と応じ、熱演を披露した。
今年5月、東京・歌舞伎座で予定していた「十三代目市川團十郎白猿」の襲名披露公演が延期になり、今月1日には来年11月まで予定していた地方の襲名披露公演の延期も発表。苦境を乗り越え、八千代座を皮切りに全国12カ所(27公演)を回る海老蔵は、歌舞伎の底力でコロナ禍で沈んだ日本を元気にする。