半沢やわたナギ TBS好調の訳

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半沢やわたナギ TBS好調の訳
『半沢直樹』(c)TBS 夏クールのドラマは、新型コロナウイルスの影響で撮影休止となっていた春クール放送予定だった作品が、遅れる形で放送となったものが多かった。中でも好調だったのが、『私の家政夫ナギサさん』、『MIU404』、『半沢直樹』というTBSドラマ3作。ジャンルが全く違う3作だったが、視聴者のツボをしっかりとおさえたキャスティング、巧みなSNS戦略。TBSでヒットした過去作の成功を踏まえた上で新しい作品を作ってきた蓄積。そして、企画自体はコロナ以前にはじまっていながら、結果的にコロナ禍の今だからこそ観るべきテーマを追求していた社会性。この4点をしっかりと抑えていたことが勝因だと言えるだろう。

【写真】人気キャラの大和田常務

 『私の家政夫ナギサさん』は、TBSの火曜ドラマ枠(火曜夜10時)が積み上げてきた社会派要素のあるラブコメの系譜をしっかりと抑えた作品だった。脚本に『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の徳尾浩司が参加したことで、今、盛り上がっている“かわいいおじさんブーム”にマッチしたナギサさん(大森南朋)というキャラクターを生み出すことに成功。物語は同枠の代表作『逃げるは恥だが役に立つ』の主題を踏まえたもので「呪い」に苦しんでいる女性を応援するラブコメとなっていた。

 何より、部屋の片付けや食事といった家事を通して自分の人生を見つめ直すという物語が、ステイホームを強いられることが増えたコロナ禍とフィットしたことが最大の勝因だろう。おそらく片付けコンサルタントのこんまり(近藤麻理恵)ブームを取り込みたいという狙いもあったと思うのだが、これらの要素が今の時代にハマっていた。

 一方、金曜ドラマ枠(金曜夜10時)で放送された『MIU404』は、死因を究明する解剖医たちの活躍を描いたドラマ『アンナチュラル』(TBS系)を手掛けた野木亜紀子(脚本)、塚原あゆ子(チーフ演出)、新井順子(プロデューサー)が再結集して作ったバディものの刑事ドラマ。1話完結の社会派エンターテインメント作品であると同時に、謎の犯罪者・久住(菅田将暉)との対決を描いた連続モノとして観られるという巧みな構成となっていた。

 劇中には様々な謎や小ネタが散りばめられており、なかでも『アンナチュラル』のキャラクターがゲストで登場するという世界観の繋がり(ハイパーリンク)は両作のファンを喜ばせた。主演の綾野剛と星野源、主題歌の米津玄師を筆頭に、旬の人をこれでもかと揃えた座組であり、どこを見ても「今」という、キラキラ感に圧倒される。

 2019年からスタートする物語は、コロナ禍に観ると(なまじ最先端の題材にこだわったがゆえに)一昔前の題材を扱っているという古さは否めなかったが、最終話で現代に追いつくことで、追い抜かれてしまった現実を物語の力で照らし返していた。おそらく、東京オリンピックが延期になったことで後半の脚本は、だいぶ修正されたと思うのだが、その痕跡が最終話の久住との対決に見え隠れする。変質した現在をどう描くかという格闘こそが、本編の裏で進んでいた、もうひとつのドラマだったように思う。

[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – エンタメ 半沢やわたナギ TBS好調の訳