ゆうちょ銀行は24日、貯金の不正引き出し問題を受けて、提携するNTTドコモの「ドコモ口座」などの電子決済サービスに登録している顧客550万人に対し、不正利用による被害の有無を確認するよう求めた。貯金の不正引き出しは22日時点で約380件、計約6千万円に拡大し、被害の件数と金額は18日時点から3倍近くに膨らんだ。同行は10月末をめどに全ての電子決済サービスのシステムの安全性を総点検する。
キャッシュレス決済のサービスとひも付いた銀行口座から本人が知らないうちに預貯金が引き出される被害は、公表ベースでゆうちょ銀が最大。550万人の確認が進めば、被害はさらに増える可能性がある。
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ゆうちょ銀の池田憲人社長は24日に東京都内で記者会見し、不正出金が相次いだ問題に対して「お客さまに多大なご迷惑、ご不安をお掛けしたことを深くおわびする」と謝罪した。
被害の金額と件数は18日時点では137件、2205万円だった。今回は2017年7月までさかのぼった顧客の被害の申し出などを加えて集計した。判明分の約380件については、今年10月末までの補償完了を目指す。
同行は被害拡大を防ぐために9月16日までに、提携する決済事業者10社の貯金口座との新たなひも付けやチャージ(入金)を一時停止した。安全性を高めた上で、再開時期を慎重に判断する。
これとは別に同行発行のデビット・プリペイドカード「mijica(ミヂカ)」の送金機能を悪用した不正出金も確認されている。電子決済サービスのシステムの総点検は池田氏が指揮する。
ゆうちょ銀を巡っては、インターネット証券大手SBI証券の顧客6人の口座から1億円近くが、偽造した本人確認を使って不正に開設された同行などの架空口座に出金される問題も発覚している。
この問題を受けてゆうちょ銀は24日、不正な口座開設を防ぐために手続きを厳格化し、原則として本人確認を顔写真付きの運転免許証やマイナンバーカードに限定した。