草笛光子 コロナ憎らしいわね

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草笛光子 コロナ憎らしいわね
「それ以降、どんなにつらいことがあっても、二度と死にたいと思ったことはありません。一生懸命に生きる気持ちとユーモア感覚があれば、何があっても乗り切れる。心底、そう思えるようになったのです。」現在発売中の『婦人公論』10月13日号の表紙は女優の草笛光子さんです。今年87歳、芸歴70年になるという草笛さんの健康の秘訣は――発売中の『婦人公論』から、インタビューを掲載します。(構成=篠藤ゆり)

【写真】健康の秘訣はよく食べること

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◆ウィーンで目に飛び込んできたのは

今年の1月1日、私は『ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート』の番組収録のため、ウィーンに滞在していました。番組でご一緒した女優の中谷美紀さんとは、以前から仲良くしているのですが、彼女はウィーン・フィルのヴィオラ奏者と結婚されたでしょう。「私も、こちらの方と結婚しようかしら。誰か素敵な方、いないかな?」と見回したけれど、コンサートに来ているのはカップルばかりで。残念ね。(笑)

ウィーンの街を歩いている時、ショーウィンドウに飾られた黄色いジャケットが目に飛び込んできました。ちょっと派手かなと思いましたが、思い切って買い求めたんです。今日、『婦人公論』の表紙撮影で初めてご披露できました。

私服を舞台や映画で着ることは結構あります。昔から大切にしてきた服も、いつか使えるかもしれないと思うと捨てられません。役柄を着こなしから考えるのはとても大切なことなんです。『婦人公論』10月13日号の表紙に登場している草笛光子さん(表紙撮影:篠山紀信)◆ユーモアの神様が死神を遠ざけてくれた

昨年から今年にかけて、浅草芸能大賞、毎日芸術賞をいただきました。それに、ゆうもあ大賞も。きっと、私が何かお話しすると、なぜか皆さんが笑いだすからでしょうね。

小さい頃は全然しゃべらない子だったのに、どうしてこうも変われたのか、自分でも不思議です。「笑い」を誘うことをつとめて考えたりやったりしてはいないのに、いつしか人格の一部になったのでしょうか。今日も篠山紀信さんに写真を撮っていただく時、つい、おどけてしまった(笑)。たぶんユーモアの神様が、私の守護神なのでしょう。

そんな今の私からは皆さん想像もつかないかもしれませんが、一時期、ユーモアとは正反対の神様が近づいてきたことがありました。30代後半、ある舞台の出演中、朝を迎えるのがイヤになってしまったのです。

この世にいることがどうしてもイヤになり、明け方、外をふらふらと歩きまわり、「お父さん、お母さん、ごめんなさい」とつぶやきながら車道を走る車の前に飛び出そうとしたら、やってきたのは小さなオート三輪。当時の私は身体を鍛え抜いていたから、その瞬間、「これじゃあ死ねない、車のほうが転がっちゃうわ」と思いました。たぶんユーモアの神様が、死神を私から遠ざけてくれたのでしょうね。

近くの電話ボックスから母に電話して、「お母さん、死のうと思ったけれど死ねなかった」と伝えたところ、なんと母はアハハハと笑ったのです。「えっ、なんで笑うの?」と、怒りが湧きました。

それでもまだ死への誘惑が断ち切れず、家に帰って台所で包丁を捜していたら、玄関の外にある牛乳箱に牛乳瓶が届けられる「コトン」という音がしたのです。その音を聞いたとたん、極度の緊張状態でひどく喉が渇いていることに気づき──配達された牛乳を飲んだら眠くなってしまいました。

目が覚めたら、横浜から飛んできた母が真っ青な顔をして枕元に。さっきは笑い飛ばした母が、「何があったの」と真剣な顔をしていました。母の深い愛を感じた瞬間でしたね。

それ以降、どんなにつらいことがあっても、二度と死にたいと思ったことはありません。一生懸命に生きる気持ちとユーモア感覚があれば、何があっても乗り切れる。心底、そう思えるようになったのです。

[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – エンタメ 草笛光子 コロナ憎らしいわね