ご当地や企業のゆるキャラ日本一を投票で決める「ゆるキャラグランプリ」。知名度上昇や経済効果を狙って自治体や企業のキャラクターが参加し行われてきた一大イベントも、岩手県滝沢市で3、4日に行われる10回目の今回で最後となる。キャラの乱立や組織ぐるみの“選挙運動”が「過剰ではないか」と指摘されるなど、過熱ぶりも注目されてきた。
ゆるキャラ人気は2006年に生まれた滋賀県彦根市の「ひこにゃん」が火付け役とされる。国宝・彦根城天守閣の築城400年を記念して考案され、かわいらしさから大人気となった。
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大会への関心が高まるにつれてエントリーするキャラも急増。11年は349体だったが、15年には1727体が参戦した。上位進出のため次第に選挙運動が過熱。インターネット投票では「組織票」が問題視された。
今年は691体がエントリー。成蹊大の吉見憲二准教授(情報社会学)は、近年参加数が減少傾向にあることについて「組織票のイメージが大会に付き、関心が薄れたことが一因ではないか」と指摘。一方で「競争を促すグランプリの開催は多くのキャラに注目が集まるきっかけとなった。ブームに安易に乗らず、地域の魅力が何かを自治体が改めて見つめることが重要だ」と分析した。