勝利目前からまさかの大逆転負け。藤井聡太二冠のかつて見せたことのない大崩れには、理論派のベテラン棋士、飯島栄治七段(41)も驚きを隠せなかった。最年少で2冠を獲得した天才高校生棋士の「非常事態」だと危惧した。
こんな負け方を見るとは思ってもいなかった。これまでの藤井二冠なら1000局に1局もないような崩れ方で、本人も一生記憶から離れないだろう。正確な読みと粘りの「終盤力」は全く見られず、少なくとも3、4回は悪手を指して自滅した。昨年の王将リーグでも広瀬章人竜王(当時)との最終戦で、詰みを見落とす「頓死」を犯して敗退したが、あの時以上にショッキングな負け方だった。
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それだけ豊島竜王に精神的に追い込まれていたのだろう。棋士が同じ相手に5連敗することは、普通はほとんどないと言っていい。「勝たなければ」という意識や、他にも集中を阻害される理由があったのか、敗因はひとつではないはずだ。
18歳には酷かもしれないが、すでに2冠のタイトルホルダー。この日の対局には、王将リーグ出場者だけでなく、多くの棋士が注目していた。これほどミスを犯しては、これまで相手を威圧してきた終盤の強さという「オーラ」もなくなってしまう。一方の豊島竜王は、羽生善治九段との竜王戦七番勝負へ向け、勢いをつけた。次戦への影響も対照的に思える結果となった。