優れた新聞、テレビ報道に贈られる2020年度「新聞協会賞」(主催・日本新聞協会)が7日発表され、フジテレビが緊急報道特別番組として7月11日に放送した「コロナ重症病棟 医師たちの闘い」が受賞。民放の最多受賞記録を更新した。
番組は、重症患者が入院する自治医科大学附属さいたま医療センター(さいたま市)の病棟内などで感染防止策を講じた上、のべ300時間に及ぶ撮影を行い、コロナ重症化の実態と医療従事者の献身や葛藤を医師に装着したカメラ映像も含めて克明にとらえた。
さらに、これまで目にすることのなかったECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)の回路交換作業や患者のリハビリの様子などを伝えたほか、病院の資材不足や経営難などコロナが日本の医療に及ぼすさまざまな影響を浮き彫りにした。
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「高リスクエリアへの立ち入りが困難な中、病院との信頼関係を築き、特に重症患者の映像は多くの視聴者に衝撃を与えた。日本社会がコロナ禍に揺れる中で知られざる医療最前線の実態を収めた映像は後世に残る優れた報道」(日本新聞協会)と高く評価されての受賞となった。
受賞決定を受け、「今後もコロナ感染と社会へのさまざまな影響について多角的に取材、報道してまいります」(ニュース総局報道局)とコメントした。
同局が「新聞協会賞」を受賞するのは「日航ジャンボ機墜落事故『墜落現場に生存者がいた!』」(1985年度)「シリーズ検証・C型肝炎」(02年度)「ミャンマー軍兵士による長井健司さん銃撃の瞬間ビデオ映像スクープ」(08年度)「鬼怒川決壊『濁流に呑み込まれる家族』のスクープ映像」(16年度)に続く5回目となる。
授賞式は11月26日に神戸市で行われる。