歌舞伎俳優、尾上松也(35)が来年3月公開の「すくってごらん」(真壁幸紀監督)で映画初主演を飾ることが13日、分かった。TBS系ドラマ「半沢直樹」のIT社長役で注目を集めたが、今作では大手メガバンクのエリート銀行員役に挑み、「初主演のプレッシャーもありましたが、改めて出演してよかった」と手応え十分。劇中ではヒロインに決まったアイドルグループ、ももいろクローバーZの百田夏菜子(26)との淡い恋も“体験”する。
歌舞伎界のプリンスが、エリート銀行員になって銀幕で存在感を発揮する。
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「すくってごらん」は漫画家、大谷紀子さんの同名漫画の初実写化。ささいなことで東京本社から左遷されたメガバンクのエリート銀行員、香芝誠(松也)が、片田舎の町で金魚すくい店を営む生駒吉乃(百田)と出会い、成長する物語。順風満帆な人生から一転、荒んだ気持ちで田舎町にやってきたプライドの高い香芝が、心を閉ざす生駒にひと目惚れし、近づこうと奮闘する姿を描く。
メガホンを取った真壁監督は起用理由について「希代のエンターテイナーである尾上松也さんの才能が必要でした。誰もが『映画館で観なければ意味がない。松也さんしかこの役はできない』と思うはず」と力説する。
一方の松也も「漫画を映画にするにあたってのアプローチの仕方が想像もつかない、なんて無茶なことをしようとしているんだと。ぜひ一緒にチャレンジしたい」と新境地開拓に気合十分だ。
同作は「ALWAYS 三丁目の夕日」や「永遠の0」の大ヒット映画を生んだ製作会社、ROBOTが約4年の歳月を経て映画化にこぎつけた意欲作。撮影は昨年7月に原作の舞台である奈良で敢行。城下町と金魚の持つ「和」の世界観を生かして映像表現を駆使した優雅で華麗な作品に仕上げており、伝統芸能を担う松也にピッタリな銀幕初主演作といえる。
松也は最近、ミュージカル「エリザベート」(2015年)やディズニー映画「モアナと伝説の海」(17年)の声優などマルチに活躍中。令和ドラマ最高視聴率の32・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したTBS系「半沢直樹」では感情の起伏が激しいIT会社の社長・瀬名役を好演し、歌舞伎界の先輩、片岡愛之助(48)ら個性派たちに負けない存在感を見せた。
映画で初座長を務めたことに「非常に幻想的で、金魚と光のコラボレーションで魅せる日本ならではの映像美に満ちた作品になっています」と胸を張る。“旬の男”の新たな姿に注目だ。