７日に誤嚥性肺炎で死去した作曲家、筒美京平さん（享年８０）の訃報から一夜明けた１３日、作詞家の松本隆氏（７１）がツイッターを更新し、盟友の死を悼んだ。故人とのタッグで「木綿のハンカチーフ」「スニーカーぶる～す」など数々の名曲を生み出した松本氏は「右半身と左半身に裂かれるようだ」と苦しい胸中を吐露。「ぼくが京平さんからもらったものはありったけの愛。彼ほどぼくの言葉を愛してくれた人はいない」と感謝の思いをつづった。
希代のヒットメーカーとの“黄金コンビ”で昭和歌謡界をけん引してきた松本氏。筒美さんの訃報が流れた１２日はショックで「木綿のハンカチーフ」を歌う太田裕美（６５）の追悼コメントをリツイートしただけだったが、この日未明に「筒美京平さんに捧ぐ」と題し、故人への思いを３回に分けて投稿した。
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最初のツイートでは筒美さんとのツーショット写真を添えて、１２日の様子を述懐。悲報はラジオ番組の収録中、太田からのメールで知ったといい、「瞬間、涙の洪水になりそうな心を抑えて、平常心を保ちながらラジオを終わらせた。取り乱さなくて偉いでしょ、褒めてよと天国の京平さんに呟く」としたためた。
筒美さんとのタッグで、これまで近藤真彦（５６）の「スニーカーぶる～す」や斉藤由貴（５４）の「卒業」などのヒット曲を世に送り出してきた。日本の音楽業界では作曲後に歌詞を乗せる曲先（きょくせん）が多いが、詞先（しせん）で作った「木綿のハンカチーフ」がヒット。これを機に詞先で制作したといい、筒美さんは松本氏の美しい日本語からイメージを広げ、世代を超えて愛されるメロディーを次々と生み出した。
２つ目のツイートでは２人の関係性を「先輩と後輩であり、兄と弟であり、ピッチャーとキャッチャーであり」とたとえ、「別れなければならない日が来ると、右半身と左半身に裂かれるようだ」と苦しい胸の内を吐露。最後の投稿では盟友に感謝を伝え、「いつかぼくも音符の船に乗り、天の園に舞い上がる日が来る。そうしたら笑顔で、喜んだり怒られたり哀しんだり楽しく語り合おうね」と悼んだ。愛があふれる言葉に筒美さんが天国でメロディーをつけているかもしれない。