歴史作家、今村翔吾氏(36)の小説「じんかん」(講談社)が16日、第11回山田風太郎賞を受賞した。
受賞決定の報を東京・丸の内のパレスホテルで聞いた瞬間、今村氏は「夢がかないました! 山田風太郎さんは自分の目標ですので、こんなにうれしいことはありません」とガッツポーズを作った。
昨年は「童の神」でノミネートされたものの届かなかっただけに、うれしさもひとしお。所属事務所の会長でフリーアナウンサー、生島ヒロシ(69)からも「おめでとう。良かったね!」と祝福され、喜びを爆発させた。
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受賞作「じんかん」は戦国一の極悪人とまで言われた武将、松永久秀の生涯に迫る。仕えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺、東大寺の大仏殿を焼き尽くす…。民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした青年武将が、なぜ希代の悪人となったかを描く圧巻の歴史巨編だ。 山田風太郎賞は2009年に創設された文学賞。戦後日本を代表する大衆小説作家、故山田風太郎の独創的な作品群とその作家的姿勢への敬意を基に、有望な作家の作品を発掘顕彰するために作られた。ミステリー、時代、SFなどジャンルを問わず過去1年間で最も「面白い」と評価されたエンターテインメント小説に贈られる。
今村氏はもともとプロダンサーで30歳から歴史小説を書き始めた異色の経歴を持つ。小説「八本目の槍」(新潮社)が今年3月、「第41回吉川英治文学新人賞」に選ばれた。生島企画室に所属するとあって、メディア出演や講演活動にも積極的に取り組み、今年5月からフジテレビ系「とくダネ!」、8月からはTBS系「Nスタ」のコメンテーターも務めている。