1963年東大卒。在学中に起きた60年安保闘争では、後に経済学者となる故青木昌彦さんや評論家の故西部邁さんらと全日本学生自治会総連合(全学連)の幹部として活発に活動。その後、大学院に進学し、お茶の水女子大助教授などを経て86年東大教授に就任した。
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明治後期の帝国議会を舞台に、当初対立していた藩閥勢力と政党勢力が提携していく経緯を通じて、明治憲法の立憲的側面を評価した71年の「明治憲法体制の確立」で注目された。「近代日本の国家構想」で吉野作造賞、「日本憲政史」で角川源義賞。千葉大教授も務めた。
他の著書に「明治デモクラシー」「日本近代史」など。今年9月に「明治憲法史」を刊行したばかりだった。
ジャーナリスト田原総一朗さんの話「非常に残念だ。私は坂野潤治さんの近代史を信頼していて、民主党の故仙谷由人元官房長官と3人で、2009年から16年ごろまで3カ月に1度、勉強会をやっていた。最後に会ったのは今年4月。野党が弱く、与党と変わりない政策しか持っていないため政治に緊張感がないと、坂野さんはいつも言っていた。とても真面目で、自分に対しても厳しい人だった。彼に代わる学者は見つからない」