29日に道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで警視庁に逮捕された俳優、伊藤健太郎(23)が30日、警視庁東京湾岸署から釈放された。同署前では4度にわたり計42秒、涙をこらえながら頭を下げて謝罪。けがをした被害者に「一生をかけて償っていきたい」などと約束した。この日は東京地検に送検後、釈放が決定。一方、運転する車で人身事故を起こした後、減速せずに現場を立ち去ったことなどが新たに判明した。
衝撃の逮捕から一夜明け、釈放された伊藤は涙を浮かべて猛省した。
午後8時10分、報道陣や女子高生のファンら約200人が集まり騒然とする中、黒のネクタイにスーツ姿の伊藤は5秒間、深々と頭を下げた。
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「自分が起こしてしまった事故について、たくさんの方々にご迷惑をおかけしてしまったことに深くおわびします」
ここでさらに13秒頭を下げ、けがをした被害者の男女には「一生をかけて償っていきたいと思います」と神妙な表情。最後は「このたびは本当に申し訳ございませんでした。失礼します」と締め、23秒頭を下げた。
迎えの車両に乗り込む際、女性ファンから「健太郎~」「まだ若いから頑張って~」などの声援が飛んだ。伊藤は同36分、東京・港区の自宅マンションに帰宅した。
この日は釈放前、東京地検に送検。午前9時10分、伊藤を乗せた車両が東京湾岸署を出発した。マスク姿で後部座席に座るが、人気俳優のオーラはなく、うつむき加減で前髪は目元にかかり、憔悴した表情だった。
送検後、東京地検が勾留請求をせず釈放が決定。捜査関係者は「素直に取り調べに応じ逃走や証拠隠滅の恐れがない」などと理由を挙げた。
逮捕容疑は28日、東京・千駄ケ谷で車を運転中にバイクと衝突。バイク運転の男性は両腕打撲の軽傷、同乗の女性は左足骨折の重傷だが、救護せずに立ち去った疑いが持たれている。伊藤は追走したタクシー運転手の説得で現場に戻った。
警視庁ではドライブレコーダーの解析を進めるが、この日、事故直後も減速せずに走行していたことが判明。衝突で車両左前部が破損しており、同庁は伊藤の前方不注意が事故原因とみる一方、事故を認識しながら逃走したとして調べている。
さらに、逃走経路も判明。途中で左折し、現場から約150メートルにある坂道を上った赤信号で停止した。現場からは徒歩で約1分半の信号だった。
伊藤は今後、任意で調べに応じる。所属事務所は釈放後、公式HPで謝罪。今後の活動について「捜査の推移を踏まえた上で、皆様にご報告をさせて頂ければと思います」とコメントした。
釈放時は4度にわたり計42秒、頭を下げて誠意を見せた伊藤だが、信頼回復と俳優復帰に向け、いばらの道が続く。