【すぐそばに東京五輪(10)】150円の価値は増税を機に考える

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【すぐそばに東京五輪(10)】150円の価値は増税を機に考える
世界陸上ドーハ大会の会場、ハリーファ国際スタジアム【拡大】  価値はどこで生み出せるだろうか。10月1日から消費税が引き上げられた。駅売店やコンビニエンスストアで即売されるサンケイスポーツは軽減税率が適用されず、1部140円から150円に高くなった。 増税にともなう日用品などの買いだめのニュースを、出張先のドーハで目にしている。取材にあたっている世界陸上の競技のほとんどが、日本時間の深夜から未明にかけて行われ、締め切り時間の都合で結果は朝刊に入らない。 夕刊のないスポーツ紙では、結果が出てから丸1日すぎた翌朝の紙面で報じることとなり、情報の鮮度はぐんと落ちる。加えて10円の値上げとあって、厳しい現実を突きつけられている。 5年前のこと。記者に興味を持っていた学生だった頃、ある新聞社の主筆から聞いた言葉が胸に残っている。「新聞社は志の産業。優れた個人商店の集まりなんだ」。現場に立つ記者やカメラマンだけでは紙面は完成しない。レイアウトや見出しを考える整理部、広告や販売の営業部の努力があって1部150円の売り物となる。 ネット全盛で情報があふれる社会。それでもどこかで紙面を手にしてくれる人はいると願いたい。目の前で繰り広げられている世界最高峰の争いを見て、まずは自らの役割を果たさねばと改めて考えた。(鈴木智紘)
[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 【すぐそばに東京五輪(10)】150円の価値は増税を機に考える