東京都台東区の上野動物園は31日、飼育するアジアゾウの雌ウタイ(22歳)が雄の赤ちゃんを産み、1882年の開園以来初めてゾウの繁殖に成功したと発表した。母子ともに元気で、命名や公開日は今後調整する。
赤ちゃんは31日午前5時44分、体高(足から背中までの高さ)約100センチ、体重約120・5キロで誕生。両親は2002年、天皇陛下の長女愛子さま誕生を祝ってタイから園に贈られたウタイと雄のアティ。アティは今年8月、結核にかかり23歳で死んでいる。
園がゾウを飼育し始めたのは1888年。2003年からは、野生の生態に近づけて繁殖を促すため、普段は雄と雌を別々に飼育し発情の状況などを見て同居させるなど工夫を重ねたが、アティとは別の大人の雄が死んだり、ウタイが流産したりして難航。
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昨年1月、ウタイに発情の兆候がありアティと同居させたところ、1月13、14両日に一度ずつ交尾し、9月23日に超音波検査で赤ちゃんの心拍などを確認していた。
園のゾウは雄1、雌3の計4頭となった。担当者は「待望の赤ちゃんだ」と喜び、園は「健やかに成長し、新型コロナウイルスで苦しむ方の希望となるよう願っている」とコメントしている。