政府は3日付で2020年秋の叙勲受章者を発表した。受章者は旭日章1023人、瑞宝章3077人で計4100人。俳優の舘ひろし(70)、元宝塚雪組トップスターで女優の麻実れい(70)、作家の北方謙三さん(73)らが旭日小綬章に輝いた。今回最高位の旭日大綬章には仲井真弘多元沖縄県知事(81)らが選ばれた。大綬章は天皇陛下、重光章は菅義偉首相が11日に皇居で授与する。
ハードボイルドな刑事から人生に疲れたおじさんまで。舘は、二枚目俳優の枠に収まらない幅のある演技でさまざまな“男の色気”を表現してきた。旭日小綬章の報に「思いもかけぬ栄誉を賜り、大変光栄です。これまで支えてくださいました皆様に、改めて心より感謝申し上げます」とコメントを寄せた。
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歌手として芸能界入りし、1976年に映画「暴力教室」で俳優デビュー。「西部警察」「あぶない刑事」でオートバイを乗りこなし、ワイルドでダンディーなイメージを確立。2018年の映画「終わった人」では定年を迎えた情けない男性役を好演。モントリオール世界映画祭で最優秀男優賞を受賞した。
1983年から在籍する石原プロモーションは来年1月、事実上の解散となる。尊敬する元社長で俳優、渡哲也さんは今年8月、肺炎のため78歳で亡くなった。「その背中を追いかけて参りました。渡と同じ章を頂いたことを糧に、これからも精進を重ねる所存です」と感謝をにじませた。
渡さんは2005年に紫綬褒章、13年に旭日小綬章。その先輩とは1979年に出世作となったドラマ「西部警察」の撮影で出会い、41年間、「俺にとっては父であり兄であり、人生の師」と慕い、偉大な背中を追い続けてきた。
俳優人生の支えは渡さんからもらった「お前には華がある」と「うまく芝居をするな」の言葉。後者はテクニックにおぼれず「人生丸ごと演じろということだと思う」と解釈してきただけに、感慨深い受章となった。
近作では映画「ヤクザと家族 The Family」(藤井道人監督、来年1月29日公開)に出演。主演の綾野剛(38)と父子の契りを結ぶヤクザを演じる。