チームは赤血球や白血球、血小板が十分にできなくなる再生不良性貧血の研究で集められた血液試料の遺伝情報を解析。原因不明とされた患者7例で、アルコールを分解していく過程で働くALDH2遺伝子に加え、血液ができる際の有害な副産物ホルムアルデヒドを分解するADH5遺伝子にも変異があることを発見した。
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患者は小柄で、10代で発症し、造血幹細胞を補うための骨髄移植を受けていた。高田さんは「国内の患者は数百人以下ではないか」とみる。
2遺伝子が働かないマウスを調べると、ホルムアルデヒドがたまり、DNAが傷つくなどして造血幹細胞が減っていた。
ALDH2は、体内でアルコールからでき、悪酔いの原因になるアセトアルデヒドを分解するが、ADH5が働かない時にはホルムアルデヒドを分解する働きもあるとみられる。高田さんは「今後は人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って人の病態を再現し、遺伝子の働きを高める薬を見つけたい」と話した。