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コロナ禍前に撮影された“最後の大作”として注目の映画「サイレント・トーキョー」が4日に公開。メガホンを執った波多野貴文監督(47)が、作品に込めた思いを本紙に語った。
同作は俳優、佐藤浩市(59)主演で、クリスマスの東京を襲った連続爆破テロに翻弄される国家や人々を描く話題作。
撮影は昨年11、12月に行われ、栃木県内に総工費3億円で再現した渋谷スクランブル交差点のオープンセットロケには延べ1万人のエキストラが参加した。
波多野監督は「渋谷の爆破場面も見どころですが、家族愛や政治的要素など映画にはさまざまな要素がある。どう受け取るかは見てくれる人に委ねたい」ときっぱり。上映時間99分の“スピード感”にこだわり、「観客が集中できる限界はこれぐらい。98分にしたかったけど、エンドロールが長くて…」と苦笑した。
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容疑者役の佐藤は主演ながら、冒頭に登場後は終盤まで姿を見せない。「浩市さんは5日間の撮影で2日間はマイクをつけていない(笑)。それでも存在感があるから物語からずっと“匂い”が消えない」と絶賛する。
コロナ禍で映画界も変化が求められる時代だが、「撮影方法は変わるけど、役割は変わらない。作品を通して観客の“枠”を広げられたら」と吐露。「時代もの、現代もの、戦争映画にミュージカルを入れたのも撮りたい。ラブコメも好きなんだよなぁ…」と語る監督の頭の中はアイデアが“密”になっていた。
波多野 貴文(はたの・たかふみ)
1973(昭和48)年9月3日生まれ、47歳。熊本県出身。日大生産工学部建築工学科卒業後、2005年にフジテレビ系「逃亡者 木島丈一郎」でドラマ初演出。10年に「SP THE MOTION PICTURE」で映画監督デビューした。近作に「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」(18年公開)がある。