新進・気鋭の作家に贈られる第37回織田作之助賞(同賞実行委員会主催)は9日、温又柔さん(40)の小説「魯肉飯のさえずり」(中央公論新社)に決まった。
受賞作は、台湾出身の母と、日本人と結婚した娘の葛藤を描いた長編。選考委員の作家高村薫さんは大阪市内で記者会見し「物語で読ませるのではなく、誰にでもあるちょっとした感情の起伏を自然につないで、一つの世界をつくっている。小説らしい小説だと思った」と評価した。
温さんは台湾出身で日本在住。「この小説は異国で子育てしているお母さんたちにささげた物語です。評価してくださってうれしく思います」とのコメントを発表した。
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温さんは「台湾生まれ 日本語育ち」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。