２０２０年の世相を１字で表す「今年の漢字」に「密」が決まり、日本漢字能力検定協会が１４日、京都市東山区の清水寺で発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で「３密」が提唱され、多くの人が「密」を避けるよう意識するなど、日常生活にも大きな影響があったことが理由に挙げられた。
森清範貫主が縦１・５メートル、横１・３メートルの和紙に特大の筆で揮毫した。協会によると、応募総数は２０万８０２５票で、「密」は２万８４０１票。「密」の理由として、日本学術会議会員の任命拒否が、内密に行われたとの意見もあった。
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２位は「禍」で、「コロナ禍」や熊本の豪雨災害、東京五輪の延期が理由。３位の「病」は疫病や病院関係者への感謝から選ばれた。４位は「新」、５位は「変」で、上位はいずれも新型コロナ関連だった。７位と９位にはそれぞれ「滅」と「鬼」が入り、漫画「鬼滅の刃」の人気をうかがわせた。
森貫主は「『密』には親しむという意味がある。物理的には離れるが、心の中では人とのつながりをさらに持ち、来年はいい年であるように祈念したい」と話した。
「今年の漢字」は２６回目。昨年は、新元号「令和」の時代を新たに迎えたことなどから「令」が選ばれた。今年の発表は、改修工事を終えた国宝・本堂の「清水の舞台」で行われた。