ついに近づく2度目の緊急事態宣言。発令は7日中か8日になる見込みで、期間は「1カ月程度」で検討されている。
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ただ、経済への深刻な打撃を和らげようと昨年4月時より自粛対象を絞り込む方針。飲食店は感染リスクが高いとし、時短要請に応じない店名を公表できるように。観光支援事業「Go To トラベル」の全国停止は12日以降も継続する。
西村康稔経済再生担当相は、飲食店の営業時間短縮に加え、対象となる首都圏のテレワークで昨春と同様に出勤者の7割減を目指すとし、イベントの開催要件厳格化も対策の柱になると説明。解除の基準は、ステージ4(爆発的感染拡大)を脱することが条件になるとした。
これを受けて分科会の尾身会長が5日夜に会見。「緊急事態宣言(の発令)で感染が下火になる保証はない」と指摘し「1カ月未満では至難の業。必要ならさらに強い対策もあり得る」と、解除までさらに時間がかかる可能性があるとの見方を示した。「飲食店(対策)は重要だが、そこだけでは感染を沈静化することはできない」とも付け加えた。
識者からも、宣言発令の効果自体を疑問視する声が上がった。昨夏に「疫病2020」を出版した作家でジャーナリスト、門田隆将氏(62)は「第3波の大きな原因のひとつは乾燥と低温という季節性。1カ月程度では気候も変わらない」とし、「これまで海外からの感染者流入を止めないなど、不作為を重ねてきた政府の宣言から、今回は国民の気持ちは離れてしまっている」と指摘。行動抑制や感染拡大防止にはつながらないとの見方を示した。
第一生命経済研究所の首席エコノミスト、永浜利広氏(49)も「宣言の効果は『やらないよりはまし』という程度」と厳しく分析。さらに、宣言発出を1都3県の飲食業界などに限って1カ月間と仮定し「家計消費が減り、GDP(国内総生産)ベースでは約1・4兆円の損失が見込まれる」と試算。近年のGDPと失業者数の関係から「緊急事態宣言だけで7・5万人、GoToトラベルの停止延長の影響も含めれば、合計8・6万人程度の失業者が出る恐れがある」と予測した。