緊急事態宣言の発令対象となる東京都では、8日から酒類の提供の有無を問わず、全飲食店とカラオケ店が午後8時までの営業時間短縮の要請対象となる。東京と埼玉、千葉、神奈川3県は感染者数がいずれも右肩上がりの状態となっており、首都圏全体での感染者減少につなげたい考えだ。ただ、飲食業界にとっては死活問題。首都圏の店からは悲鳴が上がっている。
感染リスクが高いとして飲食業界を“狙い撃ち”にする今回の緊急事態宣言に、飲食店経営者らは「せめて年末から分かっていれば」とやるせなさをあらわにした。
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東京都心で和食店を営む30代男性は、「天災だから仕方ないけれど、感染状況がこの数字になったら宣言を出すという基準だけでも前もって出してくれていれば、もっと対策が打てた。明日予約のお客さんも困惑しているし、食材を納入してくれる業者も補償がなければ大変です」とため息。
時短営業要請に応じた事業者には店舗ごとに1日当たり6万円の協力金を支給する方針だが、「30日で180万円。小さい店なら助かるが、大規模な店や家賃の高い土地では相当きつい。昨年の緊急事態宣言からランチも始めたが、昼だけやってももうからない」と肩を落とした。
都内でガールズバーを経営する40代男性は、前回の宣言でも休業を余儀なくされたと言い、「経営はきつい。罰則覚悟で開けても、まわりの店が閉めるならうちだけ開けるわけにもいかない」と嘆く。
従業員と客の検温や手指などの消毒はもちろん、店内の消毒、客と女性従業員の間を透明なビニールの幕やアクリル板で仕切ること、店内での客の喫煙の禁止など「感染防止対策はもうこれ以上できないほどやっている」と強調。「うちで働いている女の子たちは昼間の仕事だけでは食べていけない社会人や、地方出身の学生さんたち。なんとかバイト代を出してあげたいけれど」と首を振った。