フランス西部レサーブルドロンヌから単独無寄港無補給で世界を一周するヨットレース「バンデ・グローブ」で、海洋冒険家の白石康次郎さん(53)が11日、16位でゴールした。「海のエベレスト」とも呼ばれる世界有数の過酷なレースでアジア勢の完走は初めて。
2度目の出場の白石さんは昨年11月8日のスタート後、大西洋で嵐に遭遇。帆走の要であるメインセール(帆)が破れるトラブルに見舞われたが、海上で約6日間かけて自ら修繕した。帆の状態が万全でない中、ほぼ最後尾まで落ちた順位を上げながらゴールにこぎ着けた。
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4年ごとに開催のレースは、大西洋を南下してアフリカ南端の喜望峰を回り、インド洋と南太平洋を横断した上で南米大陸の南端ホーン岬を通過、大西洋を北上して戻る壮大なコース。9回目で大会最多の33人が出場した今回はフランス人のヤニック・ベスタベンさん(48)が優勝した。記録は80日3時間44分。既に8人が棄権した。
白石さんは神奈川県鎌倉市出身。1993~94年、当時世界最年少の26歳でヨットの単独無寄港世界一周を達成した。バンデ・グローブには前回2016~17年にアジア勢として初めて出場したが、マストのトラブルで棄権。再びアジア勢唯一の出場となった今回は工作機械大手、DMG森精機のセーリングチームの一員として参加した。