３年ほど前にお付き合いした人がいました。しかし後日、彼は妻子持ちであることが発覚。「妻子とは別居していて何度も離婚の話をしているが応じてくれない、私への気持ちは本当だ」と言っていました。結局離婚はできず、やがて連絡も途絶え、交際は自然消滅しました。
彼とは長年の友人だったため、恋愛面だけにとどまらず非常に落胆し、長く引きずっていましたが、今は別の方と交際し結婚しました。先日、突然彼から連絡があり、まだ私に気持ちがあることを告げられました。別居は続いているが離婚は成立していないとのことでした。
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自分がどうすべきか分かっているはずなのに、当時心から好きだったこと、そしてまだ彼への気持ちが残っている自分に気づいてしまいました。誰にも相談できず苦しいです。彼は私とどうなりたいのでしょうか。私は彼を待ち続けるべきだったのでしょうか。よろしくお願いします。（オリーブさん、３３歳女性、神奈川県、既婚）
ムンロ王子（撮影・山岸伸）
■タロットカードの配置
過去…吊るされた人（正）現在…星（正）未来…杯９（正）本人…棒騎士（逆）周囲…棒７（正）結果…棒６（正）アドバイス…杯女王（正）全体支配力…棒Ａ（正）
■カード解説とアドバイス
今回の人生相談は『復縁』がテーマです。ご相談者は３３歳の既婚の女性。結婚する前に付き合っていた人が実は妻子持ちの既婚者で、交際は自然消滅したのに、結婚した後になってその人から連絡があり『復縁』を求められていて、心が揺れているとのこと。それほど彼のことが好きで未だに忘れられないのでしょう。
まずカードの結果から見てみると、彼女は今、とてもいい状況にいます。全体を支配する力は「棒のＡ（エース）」。マッチに火がつくように物事の始まりを意味し、周囲は「棒の７」で有利な戦い、結果も「棒の６」なので勝利してパレードをしている姿。現在は「星」で夢や希望を持つ。未来は「杯の９」、これはＷＩＳＨ ＣＡＲＤといって自分の望みや希望が叶うという最高のカードです。
つまり、今の彼女は何かに勝利し自分自身の目標となる新しい希望（星）をもち、それに向かって進み出している。しかもそれは彼女に有利な形で展開をしていずれ彼女に勝利（望みが叶う）をもたらすことになる、ということ。今回の悩みに対する回答とみると、一見奥さんとの離婚が成立し『復縁』が叶う、とも読み取れます。
しかし…。その他のカードを見ると、男性らしき姿は見えず、アドバイスのところに「杯の女王」が正位置で出ていて、愛情深い内助の功のような存在の女性を示します。過去には「吊るされた人」、今は幸せのための試練の時でじっと耐えしのげ。本人のところに「棒の騎士」の逆位置、情熱が空回りして突っ走ると転ぶと出ています。
私の解釈では、今彼女を取り巻く素敵な環境は結婚してとても幸せだということ、そして「幸せのための試練」とは幸せのためには犠牲にしなくてはならないものがあるということ。そして、アドバイスのところの女性とは彼との離婚を拒み続け家庭を死守する奥さまのようで、その人を追い出すことは難しいということ。
何故なら、彼女が彼を離婚させて一緒になるということはあり得ないからです。仮にあるとしても、それは子供が育ち上がって奥さまが彼を解放する時、おそらく５～１０年先になるでしょう。そんな時に一緒になってもあなたはもう子供を産みにくい年齢となり、母親となるタイミングを逸するのです。ＷＩＳＨ ＣＡＲＤの絵柄に子供を抱く女性の姿が描かれているのが意味深長に思われます。何を「望み」とするか？
そもそも、妻子がいることを隠して付き合い、そのことがバレると妻と離婚すると言いながら関係を続け、突然連絡が途切れ自然消滅となっていたのを、また突然連絡をして『復縁』を迫る。そんな身勝手な行動からして、彼に彼女を幸せにさせる意思はなく、彼を気に入っていることにつけ込んだ都合の良い関係なのです。なので、彼にあなたが子供を産んで育てるという環境、つまり再婚という関係を用意する気持ちはないでしょう。
それに比べて、今の旦那さんはあなたの夢や希望を叶えてくれるとても有難い存在。その「幸せ」を犠牲にして「愛」に走る代償は大きく、おそらくハッピーエンドとはならないでしょう。まず、結婚と恋愛は別だということを肝に銘じておくべきです。好きな人と結婚することが必ずしも幸せとは限らない、むしろ好きな人と結婚すると幻滅することの方が多いのです。趣味を仕事にすると楽しくなくなるように…。
まして妻子がいるのにそれを隠して彼女と付き合うような人は、一緒になった後に同じことをする可能性もあるでしょう。不倫というのは結ばれないから燃えるもので、お互い障害がなくなるとしらけてしまうこともあります。彼女にとって大事なことは、過去を引きずることではなく、彼女を愛してくれる旦那さんと幸せな家庭を築くことです。
もちろん彼女が彼を思う気持ちは本物でしょう。言い寄ってくる彼をどうしても忘れられないなら「事故で亡くなった」とでも思い込むより他はないですね。幸せは「過去の思い出」にはなく「未来」にしか存在しないのです。過去がどんなにステキな思い出だとしても、彼のことをどれだけ愛していても、そこに未来はないのです。
コロナ禍で『復縁』のご相談が増えています。ある調査では復縁の可能性は１４％と出ています。その復縁がその後長く続きハッピーエンドとなる確率はさらに下がり１０％を切るものと思われ、個人的には『復縁』は期待しない方が良いと考えます。「初恋」もそうですが、時間とともに色褪せていく思い出はノルタルジック（懐古的）な感傷に浸るもので、決して現在に甦らせてはいけないのです。
年齢とともにお互い昔のようではないし、老けたり結婚したり子供が産まれたりと状況も異なっている中で、昔の「古き良き時代」を懐古して『復縁』をしたところで、現実を突きつけられて幻滅するのが関の山でしょう。ましてや、ただ『復縁』の可能性を信じて夢見て時間を過ごすのは、現実逃避でしかない。人生というのは時間と共に苦しさが増えるもので、過去を甦らせたところで解決策とはならないのです。グッド・ラック！
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