奈良市の奈良公園で国の天然記念物に指定される「奈良のシカ」を男が刃物で死なせた事件で、地元の保護団体関係者から怒りの声が上がった。今年で創設130年となる「奈良の鹿愛護会」の蘆村好高事務局長は、「あり得ない。残虐過ぎる」と憤った。
蘆村氏は事件当日の2月7日に連絡を受けて現場に駆けつけたといい、「頭を一撃のもとに割られていた」。昨年からコロナ禍による観光客の減少で「鹿せんべいをもらえずシカが飢えている」との“デマ”が広まり、夜間にも菓子などを与えに公園を訪れる人が増加。同会でも夜間パトロールをしていたという。
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実際は芝や木の実などが主食で、観光客減の影響は受けていない。関係者からは「容疑者はなぜ深夜に刃物も持って公園にいたのか」といぶかしむ声も出た。奈良県警は2日、三重県松阪市のとび職、吉井勇人容疑者(23)を文化財保護法違反容疑で逮捕している。