岩手県出身の歌手、福田こうへい(44)が、東日本大震災から10年となる11日放送のBSテレ東歌謡特番「歌のエール」(後6・54)で、震災で失った知人3人への思いを初告白していることが5日、分かった。
収録は2日に東京都内で行われ、福田は2011年の震災当時、岩手・盛岡市で呉服店の営業マンをしていたことを述懐。震災直後、同級生ら3人から「これだけの大地震だ。(海の方へ)見に行かないか」と誘われたと明かし、「お客さんの対応がある」と断ったことを説明。3人は車で出発した後、大渋滞にハマり、津波にのまれて帰らぬ人となった。
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3人への哀悼と自分を応援してくれる遺族を思い、これまで悲しい思い出を胸に秘め、ライフワークとして復興支援ライブを行ってきた。
震災から丸10年が過ぎ、今回初告白することを決めた福田は「なぜ、あのとき止めなかったのか」と無念の涙を流しつつ、「震災の記憶を風化させないためにも、歌だけでなく、いろんな体験や思いをトークを通じて伝えていかなくてはいけない」と力を込めた。
3時間の歌謡特番では、震災翌年の12年に発売したデビュー曲で人生の応援歌としてヒットした「南部蝉しぐれ」を熱唱。歌声でも故郷の東北を勇気づける。