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甚大な被害をもたらした東日本大震災から11日で10年。サンケイスポーツでは9日から3日間にわたり、被災地にゆかりのある著名人が復興の歩みを振り返り、未来への思いを語り尽くす。初回は俳優、渡辺謙(61)。震災1カ月後に被災地を訪れ、2013年に宮城・気仙沼市にカフェ「K-port」をオープンするなど常に寄り添ってきた。節目の年を迎え、「復興に大見出しはいらない」と継続することの大切さを説いた。
■13年気仙沼にカフェを出店
俳優ではなく、一社会人として-。渡辺が被災地に向き合う姿勢は一貫している。
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「困っている人がいたら、できることは全てやろうという使命感だけ。芸能人のフィルターをかけたり、それで増幅されるのも嫌。いいことは誰でも垣根なくやるべき」
2011年3月11日の震災発生時は米ロサンゼルスからの帰国便に搭乗していた。翌月に22カ所の避難所を訪問し、13年11月には宮城・気仙沼市にカフェ「K-port」をオープン。同県には1987年にNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」で主演した縁があり、コロナ禍前までは月に1回は足を運び続けてきた。
95年の阪神・淡路大震災時は急性骨髄性白血病の療養中。2004年に出身地で起きた新潟県中越地震のときは米ハリウッドにいたため「何もできなかった」という思いが原動力になっている。
未曽有の震災から10年。「復興に“大見出し”をつけても一時のムーブメントで終わってしまう。人が集まる場所として作った『K-port』は特別なものじゃなく日常化した。それが一番やりたかったこと」と継続の重要性を訴える。
同店にFAXで直筆メッセージを送るのが日課だ。「書いている5分から10分の間は気仙沼のことを考えている。文面は仕事のボヤキとかだけどね」とありのままの姿で被災地と向き合う。結びの一言「ごゆっくり」には人柄がにじみ出ている。
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