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人気アニメ「ちびまる子ちゃん」(日曜後6・0、フジテレビ系)のナレーションを31年の長きにわたり担当してきた声優、キートン山田(75)が28日放送で番組を卒業する。
最後の出演となる「ある春の一日」の巻では、桜にまつわるほのぼのとしたいつも通りのまる子と家族が描かれるが、キートンを送り出すちょっとしたサプライズも最後の最後で用意されている。
31年間、1445回のナレーションを無事に終えたキートンが番組への思いを語った。
--今回のお話はいつものナレーションとはちょっと違った登場でしたが…
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「もともとナレーションよりせりふが好き。たった二言だったが、難しかった。でもナレーションでは出せない感情が出せて役者に戻ったようでうれしかった」
--31年…一番の思い出は?
「(原作者の)さくらももこさん(2018年死去)が亡くなったこと。実はさくらさんが亡くなった時には、僕は心の中で“75歳になったら卒業させてもらう”と決めていたが、まださくらさんに言える段階ではなくて…できれば今日、この時にさくらさんに言いたかった。それが一番残念なことかな。実はお別れ会でさくらさんの生い立ちをナレーションで語った。TARAKOさん(まる子の声)と2人で。でも感謝するにはすでに遅く、一言ありがとうと言いたかった」
--ナレーション以外で演じてみたかったちびまる子ちゃんのキャラクターはありますか
「変なおじさんとかやりたい。そういうのが好きだから。ナレーションって声や抑揚とか幅が狭くて自分の間を作りづらい。尺にぴたっと入れなければいけないし、自分を捨てないとできないし“思い”を入れづらいので苦手意識がずっとあった。だから何とかしようという思いで満足できなかったことが長く続けられた秘訣かな」
--新しくナレーションを担当する方へ一言お願いします
「どなたか分からないが、その人の世界でいいと思う。その方が僕も楽かな。潔く別の人だと分かるようにやってくれたらいい。“変わりましたよ!”っていう方がいい。これからはお客さんとして見続けていく」
--ファンへメッセージをお願いします
「ファンのみなさんもだが、番組は大勢のスタッフで作られていて、そのみなさんに感謝したい。こんな長寿番組に出会うのは一生に一度あるかないか。たくさんあるナレーションのお仕事の中で一番気を遣うのはこの『ちびまる子ちゃん』。せりふの分量は少ないけど、勢いでできないから体調なども含めて一番気を遣う。この年までやってこられたことにスタッフのみなさんに感謝です」
そう話したキートンに、スタッフ一同からも感謝のコメントが寄せられた。
「31年間、1445回もの間、おかしみがあり、温かみのあるお声でいつもまる子たちを、そして番組を支えてくださり本当にありがとうございました。キートンさんには感謝しかありません。本当におつかれさまでした。ご卒業される“ある春の一日”をキートンさんに捧げます。いつも応援してくださる視聴者のみなさま、この特別な30分をどうぞ最後の最後までお見逃しなく!」