フジテレビの月9ドラマとして初の2クール放送を走り抜けた「監察医 朝顔」(第2シーズン、月曜後9・0)が22日、いよいよ最終回を迎える。
法医学者を演じた主演の上野樹里(34)とベテラン刑事だった父親役の時任三郎(63)が半年のドラマを振り返った。
クランクアップとなった最後の撮影は、母の実家があり、東日本大震災で被災した東北の海辺の街を父娘で訪れるシーン。場所は岩手県陸前高田市。第1シーズンのクランクインで2人が三陸鉄道に乗って実家を訪れる同じ場面となった。
制作スタッフがシナリオハンティングのため2018年に初めて同市を訪れたのが、今回のアップの場所でもあり、演出の平野眞さんは「ここで終われるというのはすごくうれしい」と感慨深げだ。
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また、同市市議会議員の福田利喜さんが現場にかけつけた。福田さんは過去、上野が訪問した際に各地の案内をしており、昨年10月に都内で行われた制作会見では、被災した地へ思いをはせる上野へ感謝の言葉を綴った手紙を寄せている。
無事にアップし、花束を贈られた2人は「スタッフ、樹里ちゃんをはじめ役者もみんな優しさにあふれ、優しさの塊のようなチームだった。こんなに優しさと思いやりのあるチームは俳優として40年以上やってきた中でナンバー1だと思う」(時任)、「妥協せず、自分のできることを精いっぱいやりながら言いたいことを言って、程よくぶつかりながらも(笑)調和が保たれ、自分以外のことでも誰かのことを支え、みんながお仕事にまっすぐで健やかなチームだった。その日のベストを尽くし助け合って前に進んで、そんな日常とチームの魅力がそのままドラマに反映されていたと思う」(上野)とそれぞれあいさつした。
さらに、上野は「撮影する日常は本当にありがたい場所だった。監督をはじめ、みなさんが育んでくださった優しさが、出演者の関係性を第1シーズンよりさらに深めて豊かなものにしてくれた。みなさんに朝顔のいろんな感情や姿を引き出していただいた。それは、自分1人の力では絶対にできなかったこと」と心からの感謝を伝えた。
途中からは大粒の涙を流しながら東北の地へ思いをはせ、言葉をふりしぼった。
「10年前、震災があった時に私は、それこそ時任さんがお父さんという役でドラマの撮影をしていた。その時は被災した方々や場所に“自分は何ができるのだろう”とすごく苦しかった。第2シーズンは新型コロナウイルスという大変な状況の中、生きるということや当たり前の日常がいかにすばらしいか…朝顔を通じて少しでも伝えられたのではないかなと思っている。みなさんに出会えたことで、あの時のあの気持ちが救われたというか…この作品に出会えて少しでも役に立てたのではないか、と。本当にありがとうございました」
同局の金城綾香プロデューサーも携わった全員に感謝し、「最後までキャスト、スタッフの思いが詰まっている。どうかエンドロールの仕掛けも楽しみにしてください」と呼びかけた。最終回は30分拡大。