橋田さんの誕生日の5月10日に毎年開かれる「橋田賞」。2016年は、左眉と頬骨部分を縫い、絆創膏を貼って現れた。報道陣のどよめきに「5月2日に転びまして、思い切り(コンクリートに)顔をぶつけました。90になって転ぶとなかなか治りにくいと言いますが、まだ腫れていて…ひどい顔です」とおどけ、見事に笑いに変えた。
19年2月には、大好きな船旅で訪れたベトナムでマロリー・ワイス症候群を発症し、生死をさまよった。その後、初の公の場になったのも「橋田賞」で、歩行補助具を押す橋田さんに「体調はいかがですか?」と声を掛けると、「元気になりました。ベトナムではえらい目にあいました」とひょうひょうと答えた。
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「渡鬼」の会見での石井ふく子さんとの歯に衣着せぬやりとりは、ドラマそのもの。橋田さんが「両親より、夫より長く一緒にいるの。育てていただきましたが、随分口汚く怒られましたよ」と語ると、石井さんも「女性でこれだけの構成力を持った人はおりません」と脱帽。橋田さんは「もう私たちの時代じゃない」と言いながら、遺産相続やスマホなど時事ネタを熱く語っていた。
一方、子供の頃、母親からもらった筆箱を使い、仕上がった「渡鬼」の原稿は赤い紐で結んだ。毒舌家だが、少女のような純真な人。今頃、大好きだった母や夫と再会しているだろう。 (芸能担当・栗原智恵子)