原子力規制委員会は14日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備を巡る事実上の運転禁止命令を正式決定した。原子炉等規制法に基づき、同原発での核燃料の移動を禁じる是正措置命令。
命令によって、東電は同原発への新燃料の搬入や、原子炉への燃料装填などができなくなる。商業炉に対する規制委の措置命令は初めて。同原発の再稼働は当面望めず、福島第1原発の廃炉や賠償の枠組みにも影響を与えかねない。
禁止期間は「事業者の自律的な改善が見込める状態」になるまでとされる。規制委は、核物質防護に対する東電の姿勢などを調べる今後の追加検査に1年以上かかるとしており、少なくとも検査が終了するまで東電が目指す7号機の再稼働は進まない。
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規制委や東電によると、柏崎刈羽原発では昨年3月以降、計15カ所でテロ目的などの侵入を検知する設備が故障し、代替措置も不十分だったことが、今年2月の規制委の検査で判明した。同1月には、同僚のIDカードを使った所員による中央制御室への不正入室も発覚した。
規制委は同3月、防護不備の安全重要度を4段階で最悪レベルの「赤」と評価し、事実上の運転禁止命令を出す方針を決めた。