中国のインターネット上で26日、米アカデミー賞の作品賞と監督賞に「ノマドランド」と同作を手掛けた中国出身の女性クロエ・ジャオ監督が選ばれたことに関する報道や投稿が次々と削除された。ジャオ監督は過去に中国を批判したことが問題視されており、当局が情報を遮断している可能性がある。
中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では26日午前、受賞を受け「中国出身女性の快挙だ」「おめでとう」などと喜びの声が書き込まれたが、間もなく見られなくなった。会員制交流サイト(SNS)に出回っているアカデミー賞の受賞リストは作品賞と監督賞に触れていない。
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中国外務省の汪文斌副報道局長は記者会見で、ジャオ監督の受賞や、関連情報が削除されていることについて「外交問題ではない」としてコメントを避けた。
ジャオ監督は2月に「ノマドランド」で米映画賞「ゴールデン・グローブ賞」の監督賞などを受賞した後、2013年に雑誌の取材で「育った頃の中国はうそであふれていた」などと語ったことが中国のネット上で取り上げられ、「中国を侮辱した」と非難が拡大。中国での上映が事実上中止された。(共同)