女優、志田彩良(21)が10月15日公開の映画「かそけきサンカヨウ」に主演することが4日、分かった。人気作家、窪美澄さんの短編小説の実写化で、家庭環境に悩みながら成長していく高校生・陽を演じる。メガホンを執る今泉力哉監督(40)とは3度目のタッグで、念願の主演に大抜てきされた。父親役の井浦新(46)と心温まる家族の物語を紡ぐ若手注目株は「今泉組で陽として過ごした時間は大切な宝物です」と喜びをかみしめている。
■10月15日公開「かそけきサンカヨウ」
TBS系日曜劇場「ドラゴン桜」など連続ドラマ2本に出演中の次世代女優が、初共演となる井浦とリアリティーのある親子を演じる。
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「かそけきサンカヨウ」は、悩みながらも前を向いて生きようとする人々を描いた窪さんの短編集「水やりはいつも深夜だけど」(2017年)の一編が原作。父の再婚で家族が増えた女子高生の葛藤と成長を描写した物語で、志田は主人公・陽役を務める。
■「ドラゴン桜」など連続ドラマ2本に出演中
「愛がなんだ」「アイネクライネナハトムジーク」など恋愛群像劇や人々の日常を描く名手、今泉監督が映画化を希望し、志田の所属事務所、テンカラットの設立25周年企画第2弾として製作が実現。主役に抜てきされたのが、17年の「ひかりのたび」以来4年ぶりの主演作となる志田だ。
14年に短編主演映画「サルビア」で女優デビュー後、数々の作品に出演。17年のGWには本紙の注目ガールズ企画「気になるあの娘」に登場した若手有望株で、今期は「ドラゴン桜」で東大専科の生徒・小杉麻里役を演じているほか、テレビ東京系「ゆるキャン△2」に主人公の友人役で存在感を発揮している。
■「こんなにも早くかなう日が来るとは…」
今泉組は「パンとバスと2度目のハツコイ」(18年)、「mellow」(20年)に続く3作目。「パン-」の撮影現場で志田を見たプロデューサーが、ほっこりした笑顔と凛としたたたずまいを見て今作の主役にふさわしいと直感。今泉監督と「陽がいましたね」と話していたという。
目標に掲げていた今泉組の主演をかなえた志田は「こんなにも早くかなう日が来るとは…。うれしさとありがたい気持ちでいっぱい」と感謝。
■父親役は事務所の先輩・井浦新
主人公を見守る父親役は、所属事務所の先輩でテレビ朝日系「あのときキスしておけば」に出演中の井浦。思春期の娘と父の関係を繊細に表現する志田は「戸惑いながらも前に進んでいく陽の強さも弱さも全部がいとおしくて、大好きな今泉組で陽として過ごした時間は大切な宝物です。少しでも多くの方に届くことを祈っています」と切に願っていた。
★原作は人気作家・窪美澄さんの短編小説
原作が収録されている短編集は、植物の名前を冠した5つの家族の物語で構成。「かそけき(=幽き)」は「淡い」の意味で、サンカヨウは雨に濡れると白い花びらが透明になる多年草。窪さんは「人と人との境目は強固なものではなく、淡くにじんでいた方がいい。そう思っていた方が人は深く息ができるからです」とタイトルの意味を説明。原作に感銘を受け、人の縁や淡い感情の機微を繊細に表現した今泉監督は「映画を見た誰かの体温を少しだけ上げることができたら」と呼びかけている。