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楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(56)が米CNNテレビのインタビューの中で、新型コロナ禍での東京五輪開催を「自殺行為だ」と批判した。政府関係者に中止を働きかけているとした上で、政府のコロナ対応を「10点中2点」と酷評。ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長(63)も、別の米メディアの取材に五輪開催への懸念を示した。
プロ野球やJリーグなど日本のスポーツビジネスにも深く関与している財界の大物が相次いで、東京五輪開催に楽天的どころか悲観的な見解を示した。
三木谷氏は以前からSNSで今年の開催に反対を表明してきた。14日に放送されたCNNのインタビューで、「正直に言うと自殺行為」と強烈な表現で批判。国内でワクチン接種が不十分である現状も踏まえ、「世界中から人が集まる国際的なイベントを開催するのは危険。あまりにもリスクが大きい。他国の多くの人も今年の開催には協力的ではない」と訴えた。
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三木谷氏は今月2日に菅義偉首相と面会し、ワクチン接種の迅速化に全面協力する考えを伝えているが、政府のコロナ対応について「10点中2点」と激辛採点。開幕まで約2カ月と迫った現時点でも中止は可能という考えを示し、政府関係者に働き掛けていることも告白した。ただ「これまでのところ成功していない」と明かした。
SBGの孫氏も米CNBCテレビのインタビューに応じ、五輪開催について「日本だけでなく多くの国にとって、私は(コロナ流行下での)開催を非常に恐れている」と発言。両社は東京五輪の公式スポンサーではないが、日本企業の経営トップ2人の発言は重い。
スポンサー企業の決算発表会見などの場では、開催の是非について質問が飛ぶことが増えた。トップスポンサーのトヨタ自動車も12日の決算説明会で「全てのアスリート、国民の皆さんが安心して大会を迎えられることを切に望んでいる」とコメントした。
緊急事態宣言延長や対象都道府県の拡大など、先行きが見えないコロナ禍。経済界でも開催を巡って“動揺”が広がりつつある。
■三木谷氏、国立競技場を「大量接種会場に即刻するべきだ」
三木谷氏はこの日、自身のツイッターでワクチン接種に関して「国立競技場は大量接種会場に即刻するべきだと思う」とつづった。14日に発表されたJリーグと全国知事会のスタジアムを活用したワクチン大規模接種での連携では、J1神戸が拠点とするノエビアスタジアム神戸も使用される方向で、三木谷氏は「できることがあるなら何でもする所存」と話していた。
三木谷氏は4月にもツイッターで「今年の五輪開催はあまりに、リスクが高すぎると思っており、反対です」などと投稿していた。