建設現場でアスベスト(石綿)の含まれた建材を扱って粉じんを吸い、肺がんや中皮腫などの病気になった元労働者と遺族が、国と建材メーカーに損害賠償を求めた4件の集団訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は17日、初の統一判断を示した。国の対策は違法だったとして賠償責任を認めた。メーカーも一定の範囲で責任を負うとした。
早期解決を目指す与党のプロジェクトチームは国に対し、被害者1人当たり最大1300万円の和解金を支払うことなどで和解するよう求める案を検討しており、判決は補償枠組みの議論にも影響する。
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2008年以降、全国各地で集団訴訟が起こされ、弁護団によると、今年4月時点の原告は計約1200人。4件は審理が先行する東京、横浜、京都、大阪の各訴訟で、二審の結論が分かれた。
第1小法廷は昨年12月以降、4件の訴訟の決定で国やメーカーの上告を退け、一部の賠償命令が確定したが、理由を示していなかった。「一人親方」と呼ばれる個人事業主らに対する国の責任と、メーカーの責任を認めるかどうかが主な争点だった。