ゴーン被告側、公訴棄却求める　検察の司法取引は「違法」

　金融商品取引法違反（有価証券報告書の虚偽記載）と会社法違反（特別背任）の罪に問われた前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告（６５）の弁護団は２４日、公判で無罪を主張するだけでなく、違法な司法取引があったとして公訴棄却を求めると明らかにした。公判は来年４月にも始まる予定。　弁護団は主張を記した書面を１７日付で東京地裁に提出。２４日は公判前整理手続きが開かれ、地裁や検察、弁護団が争点整理を進めた。２４日午後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した弁護団の弘中惇一郎弁護士は「事件自体がつくり上げられたものだ」と検察を批判した。　弁護団は、フランス自動車大手ルノーとの統合を恐れ、ゴーン被告を追放しようとした日産幹部の意図に基づき、東京地検特捜部が捜査を始めたと指摘。日産役員らが特捜部と司法取引をしたのは「自らの意思ではなく、会社に説得された」結果であり、法の趣旨に反して違法だとした。　特捜部の証拠収集も「日産の関係者を使い、レバノンやブラジルから無理やり持ち去った」と違法性を訴えた。　その上で全面的な無罪を主張。退任後に受け取る役員報酬を記載しなかったとする金商法違反事件について「そうした未払い報酬は存在しない」と反論した。