八千草さん、秘めた女優魂「深く人の心に潜んでいける役者に」

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八千草さん、秘めた女優魂「深く人の心に潜んでいける役者に」
東京都内の自宅で夫の谷口千吉監督(左)と愛犬を慈しむ八千草さん。素顔もかわいらしかった=1972年撮影【拡大】  色白でふっくらした顔立ちと優しい声…。24日に88歳で死去した女優、八千草薫さんは、穏やかな役も茶目っけのある役も多彩にこなし、品のある演技で永遠の清純派と呼ばれてきた。50年連れ添った夫で映画監督の谷口千吉さんと2007年に死別後は、愛犬との散歩や庭の草花に親しむ日々を送った。「深く人の心に潜んでいける役者になれたら…」と華やかな世界で控えめな姿勢を貫いた。 愛らしい娘役から「日本のお母さん」、そして「理想のおばあさん」へ-。八千草さんは年を重ねながら芸域を広げた。 2歳で父を結核で亡くし、母に育てられた一人娘は、終戦直後の1947年、宝塚歌劇団に娘役で入団。57年に退団後は、穏やかな外見とおっとりした話し方を生かして良妻賢母を演じ、フジテレビ系時代劇「銭形平次」では妻・お静役(初代)で人気を集めた。 転機は、山田太一氏(85)が脚本を手掛けた77年のTBS系ドラマ「岸辺のアルバム」。従来のイメージを覆す、浮気する主婦の役だった。当初は断ったが、山田氏から「本気で人を好きになればいい」と背中を押されて出演。不倫相手を真っすぐ見つめる孤独な主婦のときめきを表現し、お茶の間に鮮烈な印象を残した。 その後、NHK「阿修羅のごとく」では、夫の浮気を疑う主婦を好演。80歳を過ぎても映画「くじけないで」に主演するなど晩年は「理想のおばあさん」として活躍し、倉本聰氏(84)脚本のテレビ朝日系「やすらぎの郷」では清純で気品ある往年の大女優を演じきった。「深く人の心に潜みつつ、知らない間に印象に残る、そんな役者になりたい」と願ったとおりの一生を貫いた。 【続きを読む】
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