慰安婦像含む作品認めず　三重・伊勢の市美術展

三重県伊勢市が市美術展覧会で展示を認めなかった作品の慰安婦をイメージした写真の箇所を修正で消した、別の作品を手にする制作者の花井利彦さん＝三重県伊勢市【拡大】 　三重県伊勢市で開催中の市美術展覧会で、慰安婦をイメージした写真を素材に使った作品の展示を市が認めなかったことが３１日、分かった。市教育委員会は「あいちトリエンナーレ２０１９」の企画展「表現の不自由展・その後」の騒動を理由に「市民の安全を損なう恐れがある」と説明している。　展示不可となったのは「私は誰ですか」と題したポスターで、黒の背景に赤く塗られた手が描かれ、左上に慰安婦をイメージした像の写真をコラージュした。制作した同市在住のグラフィックデザイナー花井利彦さん（６４）は展覧会の運営委員を務める。　市教委によると、花井さんを含む委員９人の意見を踏まえて市教委が展示見合わせを決め、展覧会開幕前日の１０月２８日に本人に伝えた。　花井さんから修正した作品の展示要請があったが、主催者側が作品の改変に関わるべきではないとして３０日に再度、展示しない方針を伝えた。　市教委は「市民の安全を第一に考えた結果で、表現の自由を否定しているわけではない」としている。