作家・眉村卓さん死去…「ねらわれた学園」など日本のSF界けん引

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作家・眉村卓さん死去…「ねらわれた学園」など日本のSF界けん引
2017年3月、産経新聞の読者投稿エッセーの選考委員を務める眉村さん【拡大】  「ねらわれた学園」などSF小説の名手として知られた作家、眉村卓(まゆむら・たく、本名・村上卓児=むらかみ・たくじ)さんが3日午前4時1分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため大阪市阿倍野区の大阪鉄道病院で死去した。85歳。日本SF界の草分けで、テレビ、映画化された作品も多く絶大な人気を誇った。葬儀・告別式は9日午後0時半から、同市阿倍野区阿倍野筋4の19の115、やすらぎ天空館で。喪主は長女、知子(ともこ)さん。 1970、80年代の少年少女の心を躍らせたSF作家だった。超能力を持つ少女を薬師丸ひろ子(55)が熱演し、松任谷由実(65)が主題歌「守ってあげたい」を歌った映画「ねらわれた学園」(81年)など、多くの作品が映像化され大人気となった。 大阪大卒業後にレンガ会社に就職。投稿作品を徹夜で書き仕事に遅刻することもあった。当時は純文学を目指していたが「入賞の気配すらなく、才能がないんじゃないかと頭を抱えるようになった」。支えてくれたのが高校時代の同窓生で、24歳の時に結婚した妻、悦子さんだった。 やがて、息抜きとして書き始めたSFが注目された。61年、SF小説のコンテストで佳作に選ばれ、デビュー。次席だった豊田有恒氏(81)、努力賞の故小松左京さん、筒井康隆氏(85)や故星新一さんらと草創期の日本SF小説をリードした。 会社務めの経験から組織内の個人の葛藤を描き、SFを舞台にした純文学ともいわれた。79年、未来の管理社会を描いた「消滅の光輪」で泉鏡花文学賞。作家生活17年目で初の受賞だった。 だが、「僕という人間を構成する一部」だった悦子さんが97年、大腸がんで「余命1年」の宣告を受けた。妻を励まそうと一日一話、原稿用紙3枚以上のショートショートを書き続けた。 【続きを読む】
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