新型コロナウイルスは中国のコウモリから別の動物を介して人間に広がった可能性が指摘されている。東京大の村上晋准教授(ウイルス学)らの研究チームは日本固有種のコウモリからも似たウイルスを検出したと、米疾病対策センター(CDC)の専門誌に26日までに発表した。
人の細胞に感染しないため、村上さんは「このウイルスが新型コロナの直接の起源ではない」とみているが、日本で人畜共通感染症が生じないよう「野生動物にどんなウイルスがいるのか、人に広がる可能性があるのか、詳しく調べる必要がある」と話している。
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ウイルスが見つかったのは、2013年に岩手県の洞窟で捕獲したコキクガシラコウモリのふん。遺伝情報を解析すると、新型コロナと80%ほど一致した。「同じウイルスのグループに属するのは間違いなさそうだ」という。
新型コロナの起源については、中国雲南省のコウモリの持つウイルスと96%の遺伝情報が一致したとの報告があるほか、現地で食用や薬の原料にされるセンザンコウの関与が有力視されている。