目黒女児虐待死、父親に懲役１８年求刑　検察側「比類なく悪質」

船戸雄大被告【拡大】 　東京都目黒区で昨年３月、船戸結愛ちゃん＝当時（５）＝を虐待し死なせたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた父親、雄大被告（３４）の裁判員裁判が７日、東京地裁（守下実裁判長）で開かれた。検察側は「苛烈な虐待を主導し、悪質性は比類なく重い」として懲役１８年を求刑した。弁護側は懲役９年が相当と主張して結審。判決は１５日に言い渡される。　黒いスーツ姿で臨んだ雄大被告。懲役１８年を求刑された瞬間は表情を変えず、ゆっくり目を閉じた。だが、最終意見陳述では号泣。「本当に申し訳ありませんでした。本当にごめんなさい」と謝罪の言葉を繰り返した。　検察側は論告で、結愛ちゃんに午前４時に起きるなどの達成困難な課題を与え、できないと怒声を浴びせて暴行したと指摘。昨年２月下旬から嘔吐を繰り返したのに、虐待の発覚を恐れて放置したとし「食事制限で飢えの苦しみを与え、逃げ場のない被害者をいじめ抜いた。両親に未来を奪われた苦痛と無念を考えるべきだ」と批判した。　弁護側は最終弁論で、衰弱する結愛ちゃんにバナナを食べさせるなど看病していたとし「虐待の理由は身勝手だが、父親であろうという気持ちもあった。同種事件の中で最も重い部類とは言えない」と主張した。