明治時代に調査されたハンセン病患者の名前や住所が記載されたとみられる資料が、インターネットのオークションサイトに一時出品されていたことが24日、長野県などへの取材で分かった。出品は既に削除されたが、有識者は「重大な人権侵害」と指摘。県は厚生労働省と協議し、回収などの対応を検討している。
田村憲久厚労相は同日の記者会見で「あってはならないこと。どういう対応ができるか検討していきたい」との認識を示した。サイト上の情報などから出品元とみられる男性は、取材に対し「回答しない」と話した。
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長野県などによると、13日から18日の間、オークションサイト「ヤフオク!」にハンセン病の「患者並血統家系調」、「明治三十二年」「大町警察署」と記された台帳が出品。全86ページ中の2ページは内容も公開され、個人の名前や住所などの一部が閲覧できる状態になっていた。
ハンセン病の歴史に詳しい敬和学園大学(新潟県新発田市)の藤野豊教授が知人からの連絡で気付き、長野県やサイト運営会社のヤフーに通報。ヤフーは「不適切な出品」として18日夜に削除した。