夜空に閃光、爆発の赤い光　イラン攻撃、映像公開

　夜空に閃光が上り、遠方で爆発する複数の赤い光が暗闇を照らした。８日、米軍が駐留するイラク軍基地に向けてイランが発射した弾道ミサイル。国営イラン放送はその発射の場面とする動画を公開した。　「英雄」と称された司令官殺害を受け、憎悪をたぎらせるイランの報復は、米国との本格的な軍事衝突に発展するのか。戦争回避を願い、米イランの双方に自制を呼びかけてきた世界は固唾をのんで状況を注視した。　イランメディアはミサイル発射を歓迎し、建物の屋上で「アラー・アクバル（神は偉大なり）」と大声をあげる市民の様子などを報じた。　作戦名は、米軍の攻撃で殺害され、葬儀が行われたばかりのイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」司令官の名前にちなんだ「殉教者ソレイマニ」。イランの対外工作を担い、中東各地で親イラン勢力の拡大に尽力してきた司令官の殺害に対するイランの激しい怒りをにじませた。　ミサイル攻撃の標的となったイラクの二つの基地に部隊を駐留させている各国は被害状況の情報収集を急いだ。ロイター通信によると、イラク北部アルビルの基地にはドイツ軍兵士がいたが、全員の無事が確認されているという。（共同）